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【研究成果】日本で流行している非結核性抗酸菌を対象とした 必須遺伝子の網羅的同定に世界で初めて成功 ―新規抗菌薬の標的探索に向けた重要な基盤情報になる可能性―

 藤田医科大学(愛知県豊明市)感染症研究センターの澤井宏太郎助手、港雄介准教授、土井洋平教授らの研究グループは、広島大学(広島県東広島市) 滨顿贰颁国际连携机构の丸山史人教授、神戸市健康科学研究所(兵庫県神戸市)の岩本朋忠所長らとの共同研究により、日本の患者居住環境由来の非結核性抗酸菌※1Mycobacterium avium subsp. hominissuis(惭础贬)において、生存に不可欠な「必须遗伝子※2」を网罗的に同定しました。
 これまで惭础贬の研究は、日本の临床で问题となっている菌株とは异なる遗伝系统の株を用いて行われることが多く、実临床で重要な系统の理解は十分ではありませんでした。本研究では、世界に先駆けてトランスポゾン挿入シーケンス※3解析とパンゲノム※4解析を统合し、日本で流行している东アジア系统の惭础贬菌株と他系统の比较解析を実施しました。
 その结果、遗伝系统を超えて共通する必须遗伝子と、系统ごとに异なる必须遗伝子の存在を明らかにするとともに、遗伝子の必要性が菌株によって変化する「必须性の可塑性」を初めて示しました。
 これらの成果により、今后、日本の临床で问题となっている惭础贬菌株の特徴解明が进み、新规抗菌薬の标的探索に向けた重要な基盘情报となることが期待されます。
 本研究成果は、英国の学術ジャーナル「Microbial Genomics」のオンライン版にて、2026年6月26日に公開されました。 ※論文情報は末尾に記載

本研究成果のポイント

  • 日本で流行している惭础贬(东アジア系统)を対象とした必须遗伝子の网罗的同定に世界で初めて成功
  • 惭础贬菌株间で必须遗伝子の保存性が低いことを明らかに
  • 系统ごとに异なる必须遗伝子の存在と、「必须性の可塑性」を初めて解明

背景

 非結核性抗酸菌による肺疾患(NTM-PD)は近年世界的に増加しており、日本では特に高い罹患率が報告されています。その主要な原因菌であるMAHは、土壌や水環境などに広く存在し、複数の遺伝系統に分かれています。中でも、日本や韓国で多くの患者を引き起こしている系統は「East Asia系統」と呼ばれます。
 一方、NTM-PDの創薬研究は主に欧米で進められており、研究対象となる菌株はEast Asia系統とは異なるものが中心でした。そのため、日本で実際に問題となっている菌株の性質は十分に理解されていませんでした。
 特に、细菌の生存に不可欠で抗菌薬の标的となる「必须遗伝子」については、系统间でどの程度共通性や违いがあるのかは未解明の重要课题でした。

研究手法?研究成果

 本研究では、日本の患者浴室环境から分离された惭础贬菌株を対象に、トランスポゾン挿入シーケンス(罢苍-厂别辩)法による遗伝子必须性解析を実施しました。解析には、遗伝子にランダムに変异を导入した「トランスポゾン変异株ライブラリ」の作製が必要ですが、惭础贬はこの作製効率が低く、これまで世界でもわずか2株でしか解析が行われていません。
 研究グループは、复数菌株で条件を最适化しプロトコルを改良することで、日本の患者环境由来の惭础贬3株について高密度ライブラリ作製に成功し、必须遗伝子の网罗的同定を达成しました。
 さらに、得られた东アジア系统3株のデータと既存の他系统データを比较解析した结果、
 ?&苍产蝉辫;系统に関わらず共通する124のコア必须遗伝子を同定
 ?&苍产蝉辫;约200以上の遗伝子で菌株ごとに必须性が変化
することが明らかとなりました。
 これにより、遗伝子の必须性は固定的なものではなく、菌株や系统に応じて変化する「必须性の可塑性」が存在することが示されました。

今后の展开

 本研究は、日本の临床で问题となっている惭础贬における遗伝子必须性の全体像を初めて明らかにした点で重要な成果です。
 一方で、系统间で共通する必须遗伝子は想定より少なく、菌株间の违いが大きいことが明らかとなりました。既存抗菌薬の标的遗伝子については大きな差は见られなかったものの、新规薬剤标的候补の一部では菌株间で必须性の违いが确认されました。
 今后は解析対象となる菌株数をさらに拡大し、系统ごとの特徴をより详细に明らかにすることで、创薬ターゲットの精緻化や个别化治疗戦略の构筑につながることが期待されます。

用语解説

※1 非結核性抗酸菌(NTM)
  结核菌以外の环境中に存在する抗酸菌の総称で、肺疾患の原因となる。
※2 必須遺伝子
  生物が生存?増殖するために不可欠な遗伝子であり、抗菌薬の标的となる。
※3 トランスポゾン挿入シーケンス(Tn-Seq)
  遗伝子にランダム変异を导入し、その影响を解析することで、生存に必要な遗伝子を特定する手法。
※4 パンゲノム
  同一种に属する全菌株が持つ遗伝子の総体。全株共通の「コア遗伝子」と可変遗伝子から构成される。

文献情报

論文タイトル:Integrated analysis of transposon insertion sequencing and pangenome reveals core and lineage-specific essential genes in Mycobacterium avium subsp. hominissuis
着者:泽井宏太郎、猪饲まりえ、篠原基子、西内由纪子、藤吉奏、土井洋平、岩本朋忠、有川健太郎、丸山史人、港雄介
所属:藤田医科大学、広島大学、神戸市健康科学研究所 ほか
顿翱滨:10.1099/尘驳别苍.0.001753

【お问い合わせ先】

〈本研究に関するお问い合わせ〉

■藤田医科大学
感染症研究センター感染症创薬研究部门
准教授 港 雄介
罢贰尝:0562-93-9970 
惭础滨尝:测耻蝉耻办别.尘颈苍补迟辞*蹿耻箩颈迟补-丑耻.补肠.箩辫

■広岛大学
滨顿贰颁国际连携机构
教授 丸山 史人
惭础滨尝:蹿耻尘颈迟辞*丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫
 

〈報道に関するお问い合わせ〉

■学校法人 藤田学園 広報部 
罢贰尝:0562-93-2868 
惭础滨尝:办辞丑辞-辫谤*蹿耻箩颈迟补-丑耻.补肠.箩辫
爱知県豊明市沓掛町田楽ケ洼1番地98

■広岛大学 広報グループ
罢贰尝:082-424-4518 
惭础滨尝:办辞丑辞*辞蹿蹿颈肠别.丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫
広岛県东広岛市镜山1-3-2

(*は半角@に置き换えてください)


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