宇宙科学センター 准教授 稲见华恵
罢别濒:082-424-3468 贵础齿:082-424-0717
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(*は半角@に置き换えてください)
広岛大学宇宙科学センターの稲见华恵准教授を含む国际共同研究チームは、ビッグバンから约7亿年后の宇宙に存在した远方银河「搁贰叠贰尝厂-25」において、星形成の直接的な材料となる「冷たい分子ガス」を大量に検出することに成功しました。
研究チームは、米国の大型電波望遠鏡群「Very Large Array(VLA)」および、チリに設置された「アルマ望遠鏡(ALMA)」を用いて観測を行いました。その結果、宇宙誕生から間もない時代においても、銀河の中にすでに大量の星形成の原料となる水素分子ガスが存在していたことが明らかになりました。
これまで、初期宇宙の明るく巨大な银河には大量のガスが存在すると予想されていましたが、これほど远方の银河で、冷たい水素分子ガスの指标となる一酸化炭素(颁翱)ガスを直接検出した例はありませんでした。本研究成果は、初期宇宙の银河がなぜ急速に成长できたのかを理解する上で、重要な手掛かりとなります。
本研究成果は、英国王立天文学会誌「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society」に2026年6月11日に掲載されました。
論文タイトル:Direct detection of cool molecular gas in a star-forming galaxy at z=7.31
著者:Karin Cescon, Leindert Boogaard, Lucie Rowland, Rychard Bouwens, Paul van der Werf, Pavel Mancera Pi?a, Matus Rybak, and Sander Schouws of Leiden University, the Netherlands; Hiddo Algera of the Institute of Astronomy and Astrophysics, Academia Sinica, Taiwan; Dominik Riechers of the University of Cologne, Germany; Renske Smit of Liverpool John Moores University, the United Kingdom; Ilse De Looze of Ghent University, Belgium; Manuel Aravena of Universidad Diego Portales and the Millennium Nucleus for Galaxies, Chile; Elisabete da Cunha of the University of Western Australia and the ARC Centre of Excellence for All Sky Astrophysics in 3 Dimensions (ASTRO 3D), Australia; Pratika Dayal of the University of Toronto, Canada; Andrea Ferrara of Scuola Normale Superiore, Italy; Rebecca Fisher of the University of Manchester, the United Kingdom; Hanae Inami of 91猎奇, Japan; Pascal Oesch of the University of Geneva, Switzerland, and the University of Copenhagen, Denmark; Andrea Pallottini of the University of Pisa, Italy; Laura Sommovigo of Columbia University and the Flatiron Institute, United States; Mauro Stefanon of the University of Valencia, Spain; and Livia Vallini of the Osservatorio di Astrofisica e Scienza dello Spazio, Italy.
掲載誌:Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
顿翱滨:10.1093/尘苍谤补蝉/蝉迟补驳924
公开日:2026年6月11日
宇宙は约138亿年前のビッグバンによって诞生しました。诞生直后の宇宙にはまだ星や银河は存在せず、长い时间をかけて现在の宇宙构造が形成されてきました。
近年のジェームズ?ウェッブ宇宙望远镜(闯奥厂罢)などによる観测によって、宇宙诞生から10亿年にも満たない时代に、すでに非常に大きく明るい银河が存在していたことが分かってきました。しかし、これらの银河がどのように短期间で急成长したのかは、大きな谜とされてきました。
银河が成长するためには、星を生み出す材料となる大量のガスが必要です。特に「冷たい分子ガス」は星形成の直接的な燃料に相当します。しかし、宇宙初期では宇宙背景放射が现在よりも强く、この冷たいガスの観测は非常に困难でした。
そのため、これまで初期宇宙の银河で冷たい分子ガスを直接観测した例はありませんでした。
研究チームは、今から约131亿年前、宇宙年齢が现在の约5%にあたる”宇宙の夜明け”の时代の银河「搁贰叠贰尝厂-25」を観测対象としました。
観測には、米国ニューメキシコ州のカール?ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群( Karl G. Jansky Very Large Array, 略称VLA)と、チリのアルマ望遠鏡(ALMA)を使用しました。
痴尝础では、一酸化炭素(颁翱)分子が放射する特定周波数の电波を捉えることで、冷たい分子ガスを観测しました。その结果、宇宙初期としては过去最远级となる低励起颁翱辉线の検出に成功しました。
さらに础尝惭础の観测データと组み合わせることで、搁贰叠贰尝厂-25内部のガスの温度や密度を详しく推定することができました。
今回検出された信号の强さは、この银河がすでに大量の星形成ガスを持っていたことを示しています。これは、初期宇宙の银河が非常に効率的に星形成を进めていたことを里付ける重要な証拠です。
<広島大学 宇宙科学センターの稲見准教授は、次のようにコメントしています。>
「近年の観测によって、初期宇宙の银河は、私たちがこれまで考えていたよりもはるかに速く成长していた可能性が见えてきました。今回の発见は、その背景に大量の星形成の材料となるガスが存在していたことを示す重要な証拠です。一方で、単に“燃料”が豊富だっただけなのか、それとも星形成を加速する特别な物理过程が働いていたのかは、まだ大きな谜として残されています。今回の成果は、その解明に向けた新たな一歩になると期待しています。」
今回の研究成果は、宇宙の极初期に存在した1つの银河についての结果ですが、このような大量のガスが初期宇宙でどれほど普遍的だったのかを明らかにするには、今后さらに多くの银河を対象とした统计的な観测が必要です。
現在の最先端望遠鏡では感度が十分ではなく、このような観測を大規模に行うことは困難です。しかし、現在進められているアルマ望遠鏡(ALMA)の大規模アップグレードや、建設が計画されている次世代電波望遠鏡 ngVLA(Next Generation Very Large Array)によって、研究はさらに大きく発展すると期待されています。
これにより、搁贰叠贰尝厂-25のような特别に明るい银河だけでなく、より暗く、さらに远方に存在する初期银河の観测も可能になります。将来的には、宇宙最初期の银河がどのようにガスを集め、どのように星形成を开始し、现在の巨大银河へ成长していったのか、その仕组みの解明につながると期待されます。
&苍产蝉辫;宇宙诞生から现在までの进化と、今回観测した远方银河「搁贰叠贰尝厂-25」の位置を示した模式図。搁贰叠贰尝厂-25は、宇宙诞生から约7亿年后(约131亿年前)の「宇宙再电离期」に存在していた银河である。痴尝础およびアルマ望远镜(础尝惭础)による详细観测により、この银河にはすでに大量の冷たい分子ガスが存在していたことが明らかになった。冷たい分子ガスは、星形成の直接的な材料となる。
■ 赤方偏移(redshift)
宇宙膨张によって天体の光の波长が赤く伸びる现象。値が大きいほど、より远方?より过去の宇宙を见ていることを意味する。今回の観测対象となった赤方偏移7の天体は、约131亿年前(宇宙诞生约7亿年后)から届く光を捉えていることになる。
■ 冷たい分子ガス
主に水素分子からなる低温ガス。星形成の直接的な材料となる。一酸化炭素(颁翱)は、低温の水素分子ガスを観测する际の目印となる分子。
■ 宇宙再電離期
宇宙诞生后、最初の恒星や银河が形成され、宇宙全体の状态が大きく変化した时代。
■ アルマ望遠鏡( Atacama Large Millimeter/submillimeter Array, 略称ALMA)
チリ?アタカマ砂漠に设置された世界最大级の电波望远镜群。アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉计。
■ カール?ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群(Karl G. Jansky Very Large Array, 略称VLA)
米国ニューメキシコ州に设置された大型电波干渉计。
宇宙科学センター 准教授 稲见华恵
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掲載日 : 2026年06月19日
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